散歩の途中に段差があって

~車椅子放浪記~
「昭和の、缶詰」
一般社団法人無段差社会  理事長  相田忠男
都市は、変貌する。新しい建物が建つと、街の想い出は風化する。人間なんてそんなものかもしれませんね。
今から40年ほど前、月島にもんじゃ焼きを食べに行きました。その頃、月島にもんじゃの店は数軒位だったかな。帰りはタクシーが全く通らず、難儀しました。月島の夜の闇は無性に深かった。それが今や「もんじゃ通り」の異名をとる一大名所になるとは。月日は百代の過客にして行き交う人はみな観光客なり。
さて、居酒屋「鶴ちゃん」へ。入口段差は22㎝、2段の階段。着脱式スロープで、電動車椅子の自走で昇れるギリギリの高さかな。店内の雰囲気と居心地は、なんか“アナログ的”でほっとします。壁には吉田拓郎などのLPジャケット。メイン料理はサバやサンマなどの缶詰を温めたもの(笑)。昭和の酒屋の「角打ち」に入った気分。空気感と料理が一緒に詰まった“昭和の缶詰”が「鶴ちゃん」なんだ。なるほどねぇ。
アナログって“連続線”という意味だよね。例えばレコードの1本の溝のように。
先代は、薬局だったとも。人は変わり、店も変わる。ただ「酒は百薬の長」といいますから、この転身、正しい系譜かも。
風景は変わっても、風土は変わらない。和辻哲郎の言葉だったっけ。
街は、変容する。匂いも、吹き抜ける風も。月島だけでなく、日本橋や銀座も、ね。
でも風土のDNAは遺るでしょう、多分。そこに棲む人の“遺伝子”として。人間だから、らららららららら~。

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