松尾芭蕉 美しき新年の俳句

草加市と松尾芭蕉の関係

元禄2年、奥州に向けて江戸を旅立った松尾芭蕉。この旅は、紀行文学『奥の細道』としてあまりにも有名です。東北へと道を拡げる前、芭蕉は日光街道第2の宿駅であった草加宿に宿泊しました。
「もし生きて帰らばと、定めなき頼みの末をかけ、その日やうやう早加(草加)といふ宿にたどり着きにけり」
その当時まだ草加宿は小規模な宿場町でしたが、その後日光街道有数の宿場として発展し、今の草加市があります。600里に及ぶ壮大な旅の中で、芭蕉は確かにその息を草加に残していきました。

新年の俳句

そもそも俳句とは、5・7・5の17音で季節の感動などを表現する短い詩のこと。句の中に季節を表す「季語」を詠み込むことを決まりとしています。春夏秋冬の四季それぞれに自然や人々の生活に根付く季語が数多くありますが、「新年」は新しい年を祝うさまざまな行事があり人々に特別なものとして受け入れられていることから、四季とは別に「新年」を表す季語を入れる習わしがあります。1月は本来ならば旧暦の「春」にあたりますが、「新年」をテーマにした俳句には「新年」の季語を入れなくてはならないということです。「新年」の季語には「元日」「正月」「三が日」などを始め、「年玉」「門松」などお正月に欠かせない縁起の良いものがあります。

芭蕉が詠んだ新年の俳句

それでは、松尾芭蕉が詠んだ新年の俳句を3句ご紹介します。

『元旦や おもへば寂し 秋の暮』

(意味:昨日の大晦日までは賑わっていたのに、元旦になると人々は家の中にいて外は静寂に包まれている。この静けさは、思えば晩秋の夕暮れの寂しさを喚起させる−。)

『誰やらが 形に似たり けさの春』

(意味:新春らしく身を包んでみると、普段の自分とは違ってどこかの誰かに似ているような気がした。うれしい気持ちと気恥ずかしい気持ちが入り混じった複雑な感情である。)

『山里は 万歳おそし 梅の花』

(意味:辺鄙な山里には、万歳がやってくるのも遅く、今年も梅の花が咲く頃にようやくやってくるのです。※万歳…正月に家に訪れ、祝詞を述べ、舞を演じる芸人のこと)

新年の嬉しさや、どことなく厳かで寂しげな雰囲気などが手にとるように伝わる句ですよね。新年というだけでこんなにも多くの感情が表現できる芭蕉という人間の豊かさが伺えます。『奥の細道』旅で芭蕉が宿泊した草加の市民である皆さんも、「新年」の一句を詠んでみてはいかがでしょうか。

※草加市新聞創刊号からの転載です

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